XV-3_bell

1951年、アメリカ陸軍と空軍はヘリコプターのように垂直離着陸が可能で最高速度と航続距離が固定翼機並みの機体開発に強い関心を持ち、現代の「ティルトローター」の元祖とも言える転換式航空機プログラムを共同で発表しました。1953年10月に「ベルヘリコプター」社が選定され本格的に開発がスタート。1955年8月11日にヘリモードで初飛行に成功、1958年12月水平飛行への移行に成功しティルトローター時代の到来を予感させました。しかし、軽量化の為に搭載した450馬力のR-985レシプロエンジンでは重量の割にパワー不足で安定性に欠け、水平飛行転換にはパイロットの感覚で姿勢制御を行う為操縦が難しい、ペイロードの少なさ等実用化に大きな問題が判明してきます。ベルヘリコプターはティルトローターの経験と基礎データを獲得できたものの、根本的な問題を解決できず1966年6月14日にプログラムは終了しました。時代は進みコンピューターとターボプロップエンジンの発達、先進複合材料の開発により実用ティルトローター開発に結び付きます。現存する機体はオハイオ州国立アメリカ空軍博物館に展示されています。