
1950年台、アメリカ「コンベア」社が開発した超音速ジェット水上戦闘機「XF2Y(シーダート)」及び「YF2Y」記録フィルム映像です。第二次世界大戦後、アメリカ海軍は従来のレシプロ戦闘機用の航空母艦では大型化するジェット機の運用が困難になると考え、飛行甲板を必要としないジェット水上機開発をメーカー各社に提示。コンベア社のデルタ翼設計案が採用され、1951年1月19日より正式に開発がスタートしました。シーダートは無尾翼デルタ翼に一般的なフロートではなく、引き込み式水上スキー形式を採用。油圧式緩衝装置が装備されたていましたが、振動問題は最後まで課題となりました。1953年4月9日にサンディエゴ湾で正式な離水テストに成功、1954年8月4日には現在に至るまで水上機としては唯一の記録となる緩降下中、音速突破に成功しています。初飛行後も様々な試験を実施しコンベア社は海軍に売り込むものの、振動問題が解決できず、運用には天候・海面状況に左右される等制限が大きいことが判明。さらに空母へ搭載可能なスチーム・カタパルトとアングルドデッキの実用化により開発意義が失われ、1956年にプロジェクトは中止されました。