
フランス、ダッソー社が研究・試作したミラージュシリーズ唯一の可変翼機『ミラージュ G8』の飛行試験記録フィルム映像です。1960年代、フランス空軍より高速要撃機の開発を要請されたダッソー社は低速性能と高速性能を両立させる技術として、当時世界的に研究されていた可変翼に着目し、Gプロジェクトとして開発がスタート。ミラージュIII F2を改修した可変翼プロトタイプである「ミラージュIII G」が1966年11月18日初飛行に成功。1968年には戦術核攻撃機として計画が修正され、双発・複座型の「ミラージュ G4」が開発されました。G4は2機が製造され、両機合わせ300回以上飛行試験が実施しましたが、1機が試験飛行時に墜落。計画が一時ストップされます。1970年、空軍の強い要請を受け再開、エンジンをM53、トムソンCSFレーダー、ナビゲーション攻撃システムを搭載したG8が開発され1971年5月8日初飛行に成功しました。性能は高く、生産されれば欧州初の可変翼ジェット戦闘機となるはずでしたが、高額なコストにより1974年に計画がキャンセルされました。現存する機体はフランス「ル・ブルジェ航空宇宙博物館」に展示されています。