
NASAがドライデン飛行研究センターで1988年より翼の形状や大きさによる超音速飛行時の層流制御研究に「F-16XL」を用いて各種実験を行っていた際の運用記録写真です。同機は大型戦闘爆撃機F-111の後継機としてマクドネル・ダグラス社のF-15Eと採用を競うも敗れ、選定終了後、2機の試作機はNASAに引き渡されました。1号機はクランクト・アロー・デルタ翼の境界層制御とソニックブーム、エンジンの騒音が主な課題となり、翼外板表面に小さな穴や溝を作ることで気流の流れを制御する実験に使用。2号機は移層流最大範囲の領域測定と騒音測定用に左翼のみにチタンとガラス繊維発泡体のグローブと呼ばれる翼板を追加したことで左右非対称の機体になっています。研究プログラムは1999年に終了しましたが2007年に米空軍のF-16(Block 40)で発見された改善点改修とアップグレードの費用調査の為1号機がロッキード・マーティン社に返還されテストを実施しています。現在は全機退役しエドワーズ空軍基地に保管されています。