Stipa-Caproni

イタリア「ルイージ・スティパ」が設計し、カプロニ社と共同で制作したダクテッドファン実験機『スティパ・カプロニ(Stipa Caproni)』1933年の飛行試験を撮影した記録フィルムです。スティパ・カプロニは円筒形の機体内にデ・ハビランド社製「ジプシー III」空冷レシプロエンジン(120馬力)を組み込み、推進後流をダクトで圧縮するという現代のジェットエンジンの基本設計に近い時代を先取りする革新的な機体でした。1932年10月7日、イタリア・タリエドで初飛行に成功。振動も少なくヨーイングが難しい以外高い離着陸性能と安定した飛行能力を証明しましたが、空気抵抗が大きく最高時速131km/hと同様のエンジンを搭載する機体と比較しても遅すぎるとされ、イタリア王立空軍は開発中止を決定。翌年には解体されています。ルイージ・スティパは特許を取得し1938年には本が出版され、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ等先進主要国に強い影響を与えています。1998年にオーストラリアの実業家によりレプリカが制作され、現在はクイーンズランド・トゥーンバ空港に静態保存されています。