中立と独立を維持するため、スウェーデンは長年戦闘機を輸入に頼らず独自で開発・量産してきました。ソ連による大規模侵攻に備え、国土防衛を担う戦闘機にかせられた要求は厳しく、作戦時は高速道路を使用し800mで短距離離着陸でき、シェルターのように整備が十分にできない場所でもできる高い整備性、一機種で制空・攻撃・偵察・練習の任務を一機種で満たすことも求められました。冷戦終結以降は輸出にも力を入れており、米国やロシアなどの新鋭機とも対等以上に渡り合い能力の高さを証明しています。
JAS39(グリペン)プロトタイプ
■永久中立を貫く防衛戦略の絶対条件
冷戦期のスウェーデンは西側と東側に挟まれており軍事的に中立という政策を打ち立てていました。その為ソ連軍は戦時にはNATO軍の強力な防衛陣を迂回しヨーロッパへ進撃すると考えられており、スウェーデンは先制攻撃を受ける可能性が高かい状態に置かれていました。大規模侵攻に備え基地が爆撃され作戦不能になるのを避ける為、戦闘機を各地に分散配備したり山をくりぬいて作ったシェルター建設などを国をあげて対応してきました。
3面カラーディスプレイと広角HUDを備えたコクピット
■1機種に4つの任務を小型の機体に集約
グリペンに要求されたのは小型でありながら前作ビゲンより総合的に勝る戦闘能力を確保し、制空・攻撃・偵察練習の4つの任務をひとつの機体で満たすことが条件とされました。グリペンは軽量化のため複合素材を多用し、機体を意図的に不安定としFBW(フライ・バイ・ワイヤ)技術により敏捷性を高めています。ただし、サーブ社では複合素材技術が乏しく初期の機体の主翼製造はBAe社に委託しています。また、エンジンも完全国産は難しかった為F/A-18E/F(スーパーホーネット)で使用しているGE社のF404の推力向上方RM12を単発装備としました。
JAS39は、サーブ37ビゲンの後継として1980年から開発が開始され試作初号機は1988年12月9日に初飛行を行っています。構造は軽量化のため複合素材を多用していますが、サーブ社は複合素材の経験に乏しかった為イギリスのBAE社から技術協力を得ており、初期の機体主翼は同社に委託しています。
昔からスウェーデンの開発する戦闘機は大国の製造する機体と比べても性能は遜色が無く積極的な売り込みをすればベストセラー機となった機体も多かったと予測できますが、国策で紛争が起こしそうな国には売らないという方針を貫いていました。その後冷戦終結後国を取り巻く環境が大きく変わったことで近年は海外の売り込みには力を入れているようです。能力的には同世代の戦闘機と比べて劣るものの、ラファールやユーロファイターと比べ安価で小型軽量多目的戦闘機という特徴を生かし、世界各国に輸出しています。
■永久中立を貫く防衛戦略の絶対条件
冷戦期のスウェーデンは西側と東側に挟まれており軍事的に中立という政策を打ち立てていました。その為ソ連軍は戦時にはNATO軍の強力な防衛陣を迂回しヨーロッパへ進撃すると考えられており、スウェーデンは先制攻撃を受ける可能性が高かい状態に置かれていました。大規模侵攻に備え基地が爆撃され作戦不能になるのを避ける為、戦闘機を各地に分散配備したり山をくりぬいて作ったシェルター建設などを国をあげて対応してきました。
3面カラーディスプレイと広角HUDを備えたコクピット
■1機種に4つの任務を小型の機体に集約
グリペンに要求されたのは小型でありながら前作ビゲンより総合的に勝る戦闘能力を確保し、制空・攻撃・偵察練習の4つの任務をひとつの機体で満たすことが条件とされました。グリペンは軽量化のため複合素材を多用し、機体を意図的に不安定としFBW(フライ・バイ・ワイヤ)技術により敏捷性を高めています。ただし、サーブ社では複合素材技術が乏しく初期の機体の主翼製造はBAe社に委託しています。また、エンジンも完全国産は難しかった為F/A-18E/F(スーパーホーネット)で使用しているGE社のF404の推力向上方RM12を単発装備としました。
JAS39は、サーブ37ビゲンの後継として1980年から開発が開始され試作初号機は1988年12月9日に初飛行を行っています。構造は軽量化のため複合素材を多用していますが、サーブ社は複合素材の経験に乏しかった為イギリスのBAE社から技術協力を得ており、初期の機体主翼は同社に委託しています。
昔からスウェーデンの開発する戦闘機は大国の製造する機体と比べても性能は遜色が無く積極的な売り込みをすればベストセラー機となった機体も多かったと予測できますが、国策で紛争が起こしそうな国には売らないという方針を貫いていました。その後冷戦終結後国を取り巻く環境が大きく変わったことで近年は海外の売り込みには力を入れているようです。能力的には同世代の戦闘機と比べて劣るものの、ラファールやユーロファイターと比べ安価で小型軽量多目的戦闘機という特徴を生かし、世界各国に輸出しています。
原型初飛行 | 1995年10月7日 |
全幅 | 8.4m |
全長 | 14.1m |
全高 | 4.5m |
乗員 | (JAS39A)1名(JAS39B/D)2名 |
エンジン | Volvo Aero General Electric F404ターボファンエンジン ×1 |
最大速度 | M2.0 |
最大離陸重量 | 13,000kg |
航続距離 | 3,000km |
生産数 | 199機 |
JAS39 グリペン (イカロス・ムック 世界の名機シリーズ) 嶋田 久典 by G-Tools |