f1170916F-117は世界初の実用的なステルス攻撃機で「空飛ぶ機密」とまで言われていました。その為、開発計画開始から公表されるまで10年近く国内にも隠すという徹底ぶり。当時の技術でステルスを可能にするためのレーダー波反射を最優先に考えられた機体形状は航空機としては特異的な形状となっており飛行に不向きな形状であるため、飛行姿勢は4重に管理されたデジタル・フライ・バイ・ワイヤによりコンピュータ制御されています。
■F-117プロトタイプ(ハブ・ブルー)
試作機であるハブ・ブルーとF-117の相違点は生産型の60%程縮小されており、垂直尾翼は内側へ折り畳まれるようになっていました。建造はバーバンク工場で2機が建造され、T-2B練習機のJ85エンジン、A-10攻撃機の主脚、F-16のFBW部品等既存の部品を用いて短期間で完成させています。



■F-117の能力の限界
ナイトホークと命名されたF-117は開発当初から夜だけ作戦に投入される「特殊戦闘攻撃機」として開発されました。Fナンバーが付いているが戦闘機ではなく、コクピットの視界は極端に悪くエンジンはアフターバーナー無しで音速以下であるのと格闘戦に必要な機関銃も搭載されていません。また、脅威からのレーダ探知警報機が搭載されていない為、敵に見えないものの、自らも敵の存在が特定目標以外分からないのが実像です。





■F-117専用ハンガー

F-117のステルス能力の維持費用が高く、2008年4月22日をもって全機が退役。モスボール状態でアリゾナ州にあるトノパ実験場で保管され、有事の際復帰するその日まで黒い翼を休めている。

原型初飛行1981年6月18日
全幅13.2m
全長 19.4m
全高 3.9m
乗員1名
エンジンGeneral Electric F404×2
最大速度M0.85
最大離陸重量38,000kg
航続距離1,200km
生産数 64機


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坪田 敦史

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