2015年12月28日、アメリカのDARPA(国防高等研究計画局)は駆逐艦・フリゲート艦で運用可能なテールシッター型で垂直離着陸が可能な無人偵察・攻撃機「Tern」開発プログラム、フェーズ3にノースロップ・グラマンを選定したことを発表した。コンペティションには「RQ-11(レイブン)」「RQ-20(プーマ)」等小型無人機を開発製造する「エアロ・ヴァイロメント」と航空大手「ノースロップ・グラマン」の2社がフェーズ2に進み基本仕様の検討が行われてきた。フェーズ3では本格的な実証デモ機の開発を行う。海兵隊戦闘研究所(MCWL)は同機による艦隊護衛機の拡大及び空母と陸上基地への依存を減らす潜在的価値に期待しており実証機とシステム開発、各種試験の支援を行う。
無人暗殺機 ドローンの誕生 リチャード ウィッテル 佐藤 優 Richard Whittle by G-Tools |
ノースロップ・グラマンの「Tern」フェーズ3設計案は機首に二重反転プロペラのテールシッター型で1950年台に駆逐艦や輸送船の甲板から飛び立つことのできる船団護衛用戦闘機としてコンベア社が開発した試作機「XFY-1(ポゴ)」に近い形状。当時はパイロットの搭乗、機体の離着陸が困難で開発中止となっていた。テールシッター機は既存機より着陸面積が小さく、巡航飛行時はヘリコプターより航続距離・飛行速度も高い。ティルトローターのような複雑な稼働部分が不必要な為コストも低く抑えれる為多くの利点を得られるとしている。人が操縦する事に起因するテールシッターの開発失敗は無人機となったことで再評価されようとしている。名称である「Tern」は群れで行動する渡り鳥「アジサシ」から命名。
■DARPA:プレスニュース
Tern Moves Closer to Full-Scale Demonstration of Unmanned VTOL Aircraft Designed for Small Ships