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2015年12月3日、ヴァージン・グループ傘下で民間による宇宙旅行を目指す「ヴァージン・ギャラクティック」はグループが所有する「ボーイング747-400」旅客機を利用し、小型ロケットによる衛星打上げプロジェクト「ランチャーワン(LauncherOne)」発表を発表した。2012年に発表された当初の計画では、宇宙旅行用母機である「ホワイトナイトツー」を予定していたが2014年10月31日の「スペースシップツー」墜落事故を受け、予定変更を余儀なくされていた。宇宙旅行事業とタスクを分離し、リスク回避と衛星搭載能力向上、グループ中古機を再利用することでコストを抑えた新プロジェクトとして再始動する。
はじめての宇宙旅行はじめての宇宙旅行
浅川 恵司

集合成田。行き先、宇宙。 図解ビジネス情報源 入門から業界動向までひと目でわかる 宇宙ビジネス 宇宙旅行学―新産業へのパラダイム・シフト 宇宙飛行士の仕事力 (日経プレミアシリーズ)

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「ランチャーワン(LauncherOne)」は液体ロケットエンジンの2段式。打上げ能力は最大400kg、価格を1000万ドル(約12億円)以下とし、天候に左右されず、発射施設が不要、一般の空港を利用できる等、手頃な価格、信頼性、柔軟性を最大の売りとしている。機体愛称は「コズミック・ガール」ボーイング747-400を専用機として改造し左翼下部に専用パイロンを設ける。同社ではすでに空中発射システムの開発に向けて性能試験を進めており、今年9月にはカリフォルニア州のモハーヴェ砂漠で2段式エンジンの噴射実験を行った。主に需要が急増している通信衛星や観測衛星など、小型衛星市場に参入していく考えで、早ければ2017年中の打ち上げを目指している。

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ヴァージン・ギャラクティックのジョージ・ホワイトサイズ最高経営責任者(CEO)は「さまざまな気象条件をクリアしながら打ち上げるよりも、上空からの打ち上げることで短期間で柔軟に対応できます。クライアントの運用ニーズに合わせたサービスを提供できる」と声明を述べた。同社を支援するコンサルティング会社ティール・グループの宇宙研究ディレクター、マルコ・カセレス氏は新規参入により伝統的な航空宇宙企業が支配する分野で、値下げを実現する可能性があると指摘した。


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■ヴァージン・ギャラクティック:プレスニュース
Providing affordable, reliable and flexible launch for a new generation of satellites