2015年12月9日、ホンダの航空機事業子会社である「ホンダエアクラフトカンパニー(Honda Aircraft Company)」は、米国連邦航空局(FAA)より「HondaJet」が型式証明を取得したと発表した。同社では認可にともない、顧客への引き渡しを順次進める。FAAによる認証試験はさまざまな運航条件下での離陸・巡航・着陸試験、飛行中のシステムの故障シミュレーション、高温、低温、高湿度など各種環境下での飛行試験、計器着陸試験を全米70箇所で約3000時間を掛け実施している。現在ノースカロライナ州グリーンズボロ市にある生産工場では25機のホンダジェットが最終組立工程にあり、年末にも量産1号機のデリバリーを控えている。
HONDA 明日への挑戦: ASIMOから小型ジェット機まで 瀬尾 央 道田宣和 by G-Tools |
同日、記念式典が開かれ行政や業界関係者を含む2,000人以上の列席者が見守る中、FAA長官のマイケル・ウェルタ氏からHACI社長の藤野道格氏に型式証明書が手渡された。HondaJetの開発責任者であり、開発・製造・販売を担当するHACI社長「藤野道格」氏は「私たちは、HACIを設立するとともに全くのゼロから最先端技術を取り入れたホンダジェットを設計、開発し、ついに型式証明の取得に至りました。ホンダにとってこれまでにないほどのチャレンジでしたが、型式証明の取得は非常に大きなマイルストーンを達成したと言えます」語った。
HondaJetはGEと共同開発したターボファンエンジン「HF120」の主翼上面への配置と自然層流翼型、一体成型複合材胴体など数々の独自技術を採用。クラス最高水準の最高速度、最高運用高度、上昇性能、燃費および室内サイズを実現し標準仕様で乗客4人が乗れるゆったりとした客室などが特徴。これまでに100機以上の受注を北米と欧州で獲得し2016年は年間50機を生産する予定。17年以降は年間最大100機まで生産規模を拡大する。
■Honda Aircraft Company:プレスニュース
HondaJet Receives Type Certification From Federal Aviation Administration