poimcmrpX-31は従来の航空機では不可能な短距離離着陸と高機動性の研究目的で1980年代後半に米国のNASA、ペンタゴン先進技術研究計画局(DARPA)西ドイツにより共同開発が行われ、ロックウェル・インターナショナル社が製造した高機動実験機です。3次元ベクタードノズルより失速状態からの急激な方向転換や、空中浮遊等、通常の航空機では不可能な機動を実現ました。


■3次元ベクタードノズルと4重の制御コンピューター
外観はカナード翼とデルタ翼により構成された現在のユーロファイタータイフーンに酷似したオーソドックスな形状ですが、X-31の特記すべき点は高機動を実現するために開発された推力偏向ノズルとそれを制御する4つの飛行制御コンピュータにあります。ゼネラル・エレクトリック製F404-GE-400にグラファイトエポキシで作られた3枚のパドルからなる推力偏向装置は簡便な動作でピッチ方向とヨー方向に推力を偏向することができました。この高度な飛行制御をデジタルフライバイワイヤを通し4つの制御コンピュータのうち3つが飛行制御を行い、残りの1つは3つの飛行制御コンピュータの同期に矛盾が生じないように監視する仕組みになっていました。

■垂直尾翼をはずしエンジン制御のみで飛行するX-31


1990年に1号機が、翌年には2号機が初飛行に成功。1995年エドワーズ空軍基地で、1号機が墜落していますが、同年実験プログラムを全て消化し、計画は無事終了しました。2号機はパリ航空ショーに参加後、共同開発が行われたドイツに渡りミュンヘン市内北部のシュライスハイム航空博物館で展示されています。

原型初飛行1990年10月11日
全長13.21m
全幅7.26m
全高 4.75m
乗員1名
エンジンゼネラル・エレクトリック製F404-GE-400(3次元ベクタードノズル付加)×1
最大速度M1.28
最大離陸重量
航続距離
生産数2機


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