トルコ軍は23日、イラク北部の反政府武装組織クルド労働者党(PKK)拠点へ大規模空爆を実施し戦闘員100人以上を殲滅したと発表しました。トルコ南東部やイラクに拠点をおくPKKは、クルド人国家のトルコからの独立を主張しており、今年7月以降、テロ及びトルコ軍人を襲撃するなどし死者は約40人に達していたとトルコ政府は発表しており、その報復として空爆を行ったとのこと。
トルコ軍では、今月17日、クルド人武装組織、「クルド労働者党」によるとみられる襲撃を受けて兵士9人が死亡したことを受けて、イラク北部にある武装組織の拠点に対して激しい空爆を続けています。同軍webサイトによると4つの拠点目標に対し作戦を展開、地上作戦部隊の火力支援として空爆を行い民間人へ損害を出さないよう細心の注意を払うとしています。これに対し、反政府武装組織クルド労働者党(PKK)側は「死亡したのは3人で、トルコ軍の発表は兵士の士気を高めるためのでっち上げに過ぎない」としています。また、イラクのクルド人自治区の当局者は、この空爆で子どもを含む7人の市民が死亡したとして、トルコに攻撃をやめさせるよう国連の仲介を求めています。「クルド労働者党」は、トルコ政府との対話に応じる姿勢を見せていますが、組織の一部は今なお徹底抗戦を掲げてトルコの都市部で爆弾テロなどを起こしており、トルコ政府が警戒を続けています。
漂流するトルコ―続「トルコのもう一つの顔」 小島 剛一 by G-Tools |