2013年2月20日、アメリカ国防総省はロッキード・マーティン社と『F-22(ラプター)』のアップグレード事業契約の締結を発表しました。契約金額は69億ドル(約6,400億円)、改修作業は「インクリメント3.2A」「インクリメント3.2B」の複数の段階からなる長期的なもので2023年2月20日までに完了を予定しています。米軍では軍事予算強制削減や3軍が調達を予定しているF-35の予定配備時期とコスト増加により、連鎖的に戦略計画の見直しが生じており、既存機材の耐用年数延長と性能改修が急務となっています。
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F-22のアップグレード作業は2003年より行われている「インクリメント3.1」を終えた機体が配備され始めており、主に250ポンド小直径爆弾(SDB)による4目標同時攻撃が可能となる対地攻撃能力およびAPG-73レーダー強化による地上マッピング機能、索敵機能強化が施されています。今後予定されている「インクリメント3.2A」は、新たな戦闘識別機能、アンチ・ジャミング能力を有する電子保護機能の追加と戦術データ・リンクシステム「リンク 16」への改修を2014年より開始し、「AIM-120D」「AIM-9X」空対空ミサイルの初歩的な運用能力および(SDB)8目標同時攻撃能力、再ターゲティング機能、強化された墜落防止装置をハード・ソフトウェア両面の改修作業「インクリメント3.2B」を2017年より実施します。米空軍ではさらに後続のアップグレード「インクリメント3.3」を別個の調達プログラムとして予算を計上する予定です。
■アメリカ国防省広報室
Lockheed awarded F-22 modernization contract