
欧州委員会がリガ工科大学(ラトビア)、QPAC社(ドイツ)、クロンシュタット通信(ドイツ)、クランフィールド大学(イギリス)等と共同でハイブリット航空機『ESTOLAS』プロジェクトを第3回欧州航空科学ネットワークで発表しました。機体コンセプトは、飛行船・飛行機・ヘリコプター・ホバークラフトを組み合わせたハイブリッド機で、滑走路が使用できない湿地、雪原や水上での運用を想定しています。胴体中央部ダクテッドファン周りにはヘリウムガスで浮力を得ており、複合材を多用することで大幅な軽量の機体は飛行船同様、長時間低音で浮遊可能な点が複合ヘリやティルトローターと大きく異なります。プロジェクトでは2014年中にデモ機を作成し、ESTOLASの特性と運用を含めた概念設計を検証し、実用可能なモデルで事業とする場合、投資家へ、広くパートナーを募る予定です。
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設計概念は完成しており、ニーズに合わせた4つの異なるタイプを予定。最小は軽ヘリコプター以上(ペイロード3.3トン)の小型タイプ。大型ヘリや小・中型輸送機以上(ペイロード40~60トン)の中型タイプ。中・大型輸送機クラス(ペイロード100~200トン)の大型タイプ。大型・超大型輸送機クラス(ペイロード200~400トン)の超大型タイプが計画されています。初期段階は小型タイプを製作し安全性、燃料消費率、騒音レベルを比較のうえヨーロッパと世界市場による潜在的な市場の需要を検証します。開発チームは災害救援活動に加え防衛、ビジネス、観光、海上油田やガス田の構築と運用のサポートなど、様々な用途での運用を想定しており、既存の飛行場や小さな町で都市間のより安く、より効率的な航空輸送を提供する可能性を秘めているとしています。



ESTOLASプロジェクト
http://www.estolas.eu/