2014年 6月16日、ボーイングは開発中のドリームライナー長胴型「787-9型機」が米連邦航空局(FAA)および欧州航空安全局(EASA)より型式証明を取得したことを発表しました。これにより、787-9ドリームライナーは、ローンチカスタマーであるニュージーランド航空への初号機デリバリーに向けた最終準備に入ります。787-9開発プログラムは、5機のテスト機を使用し地上強度試験や飛行試験を実施し約1,500時間以上のフライトテスト完了。FAAとEASAは商用航空法に準拠し、安全性と信頼性の高い機体であることを証明する型式設計変更(ATC)を発効しました。本来初号機の引き渡しは2010年を予定していましたが、基本型の787-8型機の遅れとバッテリートラブルにより型式証明取得が約4年間の遅れていました。
787型機ファミリーの2機種目となる787-9ドリームライナーは、787-8型機と比較すると胴体が6m(20フィート)延長。最大航続距離は8300海里(約1万5400キロ)、同クラス機費での燃料効率性が20%上昇、排ガス量も20%減少するという787-8と同等の環境性能を保持しながらも、搭乗客数や貨物搭載量が増加します。また、機内も大型窓、大型収納棚、LED照明、高湿度、高客室内気圧、空気清浄システム、揺れの軽減など、787-8型機同様の快適性を提供します。787-9型機のカタログ表示価格は現在2億4950万ドル。原材料価格上昇と開発プログラム遅延により1機当たりの製造コストが販売価格を上回る状態が依然と続いており、採算性の高い長胴型「787-9」「787-10」型機への生産移行が重要であることをジム・マックナーニ最高経営責任者(CEO)が認めています。同社は供給業者との契約交渉や工場の効率化などで製造コストの削減を積極的に進めており、年内にはコストが販売価格以下になる見通し。787-9型機の累計受注数は26社より計413機、ドリームライナー全体の約40%を占めています。787-9型機は今年の10月15日よりオークランド・パース間に就航を予定しており、上海・東京路線にも投入される予定です。
■ボーイング:プレスリリース
Boeing 787-9 Dreamliner Earns FAA, EASA Certification