
2014年2月24日、UAEアブダビで開催された「International Defence Exhibition & Conference (IDEX 2015)」でイタリア「ピアジオ・エアロスペース」が開発中の無人偵察機「P.1HH(ハンマーヘッド)」プロトタイプがトラパニ・ビルギイタリア空軍基地で初飛行に成功したことを発表しました。P.1HHは同社のビジネスターボプロップ機「P.180(アヴァンティ)」をベースにフィンメカニカと提携し開発した空中車両管理および制御システム、データリンクを搭載。2013年11月にはP.180に無人システムを搭載し飛行試験とデータ収集を続けてきました。P.1HHはP.180と広範囲で部品・エンジンを共有したことでコスト・メンテナンス性も高く、広い内部には仕様に合わせた多様な機材が収納・組み合わせることで複数のミッションに対応可能としています。
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IDEX 2015では合わせてP.1HHのカタログスペックも公表。全長14.4メートル、全幅15.6メートル、全高3.98メートル、最高速度マッハ0.6(395/KTAS)、巡航速度マッハ0.48(320/KTAS)、最大範囲4400NM、上昇限界高度45000フィートで最大16時間(ペイロード226kg)の連続飛行が可能。エンジンは出力を高めたP&H・カナダ「PT6-66B」ターボプロップエンジンを搭載、新たに設計された低ノイズブレードのプロペラを備えています。高アスペクト比を高めた主翼に換装、機体上部に衛星通信レドームを設置し、オプションで機首下部に通信・センサー、各種モジュールが追加可能で空中、陸上、沿岸、海洋の国境管理、広域監視および環境、災害制御、電子戦ミッションに対応します。開発当初から制限、無制限の飛行エリアで飛行を定めるNATOの標準化協定「USAR4671」の規格に準拠しており、西側諸国への売り込みを考慮に入れています。「プロトタイプ001号機の初飛行は開発プログラムにおける重要なマイルストーンです。これは、国際的な監視とセキュリティ業界における主要な技術と私たちのビジネス航空能力を組み合わせることにより我が社へ新しいビジョンをもたらします。パートナーのフィンメカニカとイタリア空軍の協力に感謝を述べたい。」ピアジオ・エアロスペースの最高経営責任者(CEO)Carlo Logli氏は述べています。
■ピアジオ・エアロスペース:プレスリリース
Piaggio Aerospace P.1HH HammerHead UAS, a major milestone in the programme development