旧マグドネル・ダグラス社の先進技術研究開発部門「ファントムワークス」が極秘裏に開発・試験を行っていたステルス概念技術デモンストレーター『Bird of Prey(バード・オブ・プレイ)』のプロモーション映像です。プロジェクトは1992年頃より開始。ステルス性能で重要なレーダー、赤外線および視認性の大幅な低減を目標に、機体形状やエアインテーク等革新的なコンセプトが組み込んだ設計となり、開発には3次元コンピューターが多用されました。機体は一体形成モノコック構造で全長14.22メートル、全幅6.91メートル、全高2.82メートル、最大速度482km/h、操縦・飛行制御システムはデジタル・フライ・バイ・ワイヤで特異な機体形状とは裏腹にコンピュータの補正も必要無いほど空気力学的に安定した飛行性能を有していました。
F-22はなぜ最強といわれるのか ステルス、スーパークルーズなど最新鋭戦闘機に使われるテクノロジーの秘密に迫る (サイエンス・アイ新書) 青木 謙知 by G-Tools |
完全自社開発の為可能な限りの既製コンポーネントを利用しており、エンジンは小型ビジネスジェット用P&W「JT15D-5C」ターボファンエンジンを1基、射出座席はAV-8Bハリアーから、操縦桿・スロットル・ペダルはF/A-18、A-4から主脚はビーチクラフト キングエアの一部を使用し、総額6,700万ドルで完成させています。プログラムは極秘で進められれ1996年9月11日に初飛行、1997年にマクダネル・ダグラスがボーイングと合併以降も試験は続けられ1999年に全試験工程が終了、得られた技術データはボーイング社が後に開発する無人機「X-45」に大きな影響を与えています。2002年10月18日に初めて世間に一般公開され、現在はライト・パターソン空軍基地の国立博物館に展示されています。