2014年6月2日、太陽エネルギーのみで飛行する新型ソーラープレーン「ソーラー・インパルス 2(Solar Impulse 2)」がスイス西部パイエルヌ空軍基地で初の飛行試験に成功し映像を公開しました。ソーラー・インパルス 2は現地時間3時35分離陸、飛行当初若干振動を感じた以外順調に飛行し最高高度は1,670m(5,500フィート)を記録。各種システムチェックとデータ収集を行い、2時間17分の飛行を終え無事に帰還しました。「試験結果は、計算やシミュレーションに沿ったものであり、チームにとって素晴らしい一日です。」ベルトラン・ピカール氏は声明で述べました。
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ソーラー・インパルス2(HB-SIB)はバイエルマテリアルサイエンス社が開発したナノテクノロジーを応用する軽量炭素繊維と電池エネルギー密度を増加させる新工法により軽量化とエネルギー確保を両立。機体規模は大型旅客機ボーイング747型を超える全幅72mと大型化しましたが、重量は僅か2,300キロ。胴体を覆う炭素繊維層に1万7248個のソーラーセルの電気でエンジンを回し、夜間も蓄電したエネルギーで飛行可能。長時間飛行に対応する為人間工学を取り入れたコクピットはトイレとリクライニング機能を備える多目的シートとなり、マイナス40℃まで耐えられる高密度断熱構造を採用するなど居住性が大幅に改善されています。今後試験を重ね来年5月から世界一周の挑戦に臨む予定です。
■solarimpulse.com
FIRSTFLIGHT OF SOLAR IMPULSE 2