AHRLAC-first-flight

2014年7月26日、南アフリカ共和国民間軍事企業「パラマウントグループ」が独自開発した軽攻撃・観測機「AHRLAC」が初飛行に成功し、飛行までのダイジェストムービーが公開されました。同機はアフリカ大陸では初の民間企業が開発した有人固定翼機として注目されており、既に中南米や中東アジアといった麻薬密輸やゲリラ対策にCOIN機を導入している国々が代替機として興味を示しています。本来に初飛行は2012年を予定していましたが、機体に複合素材の割合の増加や一部風洞試験の結果を反映するのに遅れが出ていました。AHRLACはエンジンを除く殆どを南アフリカ国内で設計、製造しており、アフリカの航空宇宙産業にとては画期的な一歩として位置づけられています。同国の外貨獲得と雇用拡大にも期待されており、将来的には外国企業との共同開発も計画されています。
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清谷 信一

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AHRLACは沿岸・国境警備とテロ、ゲリラ、密輸対策用のCOIN機タイプと、気候変動、自然災害の調査・観測を目的とした軍用・民間用が計画されています。徹底的な無駄を排除した機体にタンデム複座Mk16射出座席(オプション)を装備。機体規模と比較し大きなキャノピーを備え、パイロットの視認性が高いのが特徴です。エンジンはP&Wカナダ製「PT6A-66」ターボプロップエンジンを後部に単発装備したプッシャー式でカタログスペックでは最大巡航速度555km/h、作戦行動半径2130km、最大7~10時間の滞空可能でき、ハードポイントは主翼下6カ所、ペイロードは800kgで、20mm機関砲、無誘導ロケット弾ポッド、その他の対地兵装をが搭載可能です。価格はセスナAC-208またはビーチクラフトC-12や小型攻撃ヘリコプターよりも安くなると予想されています。

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