Propose-X2

2013年2月28日、米航空メーカー「ボーイング」と「シコルスキー・エアクラフト」はアメリカ陸軍が進める『統合多目的技術実証機開発計画(JMR TD)』フェーズ1に共同提案することを発表しました。提案機体はシコルスキー社が研究開発したコンパウンド・ヘリコプター「シコルスキー X2」の技術を基本ベースとします。同社ではX2の技術を応用した武装偵察ヘリコプター「S-97(レイダー)」を開発しており、複合ヘリの開発は先行しています。JMR TDフェーズ1の申請締め切りは3月6日、複数の企業が提案するプランから2013年後期に決定され、2017年に技術実証機による飛行を予定しています。
ヘリワールド2013 (イカロス・ムック)ヘリワールド2013 (イカロス・ムック)

ザ・パイロット2013 (イカロス・ムック) 北海道の空港 (日本のエアポート06) 1/32 BK-117 ドクターヘリ (08229) ラジオライフ 2013年 03月号 [雑誌] J Wings (ジェイウイング) 2013年3月号

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共同提案の発表においてシコルスキーとボーイングは対等なチームとして機能し、フェーズ1の基本設計を初めとする先導的な役割をシコルスキーが担い、フェーズ2のミッションシステムを初めとしたソフト面でボーイングが重要な役割を担うとボーイングの回転翼部門「リアン・キャレット」ゼネラルマネージャーは述べています。採用時のメリットとして実証済みの設計を活用することにより、技術的開発リスクの低減、S-97との部品、システムの共通化によるコスト削減の他、従来のヘリコプターより100ノット高速になり戦闘行動半径が60%拡大、高地高温下でのホバリング性能が50%向上することを米陸軍に推奨しています。JMR TDは陸軍の次世代汎用・攻撃ヘリコプターを視野に入れた長期的な計画で、採用されれば輸出を初めとする将来大きな契約へと繋がる可能性があります。ライバルであるユーロコプターでは別のアプローチで開発を進める複合ヘリ「X-3」をベースとした機体を提案すると見られます。

■シコルスキープレスリリース
Sikorsky, Boeing Propose X2™ Technology Helicopter Design for U.S. Army’s Joint Multi-Role Future Vertical Lift Requirements