2014年6月26日、米ヘリコプター開発製造大手「シコルスキー・エアクラフト」は、アメリカ空軍より敵勢力圏内の乗員救出を主任務とする新型「戦闘捜索救難ヘリコプター」の開発契約を受注したことを発表しました。 契約総額は推定12.8億ドル(約1,300億円)。技術・生産開発(EMD)には救助ミッションシステムの開発及び実証機4機の製造、乗員の訓練、メンテナンス研修制度が含まれます。契約にはオプションで1機の追加生産と研修人員の増加が行使でき、初期納入機と訓練は2020年以降開始される予定です。シコルスキーでは輸出を含め最大112機の生産が見込め、将来的に総額79億ドルのビジネスになると期待しています。
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開発には主要システムサプライヤーとしてロッキード・マーティンが参加。機体はUH-60M(ブラックホーク)をベースに金属疲労や腐食性に強い構造・材質に変更し内部室内空間の拡大。レーダーと衛星や無線などの通信能力がさらに向上されます。エンジンはUH-60Mと同様T700-GE-701Dターボシャフトですが、メインローターブレードを複合材に変更し清音性と燃費が改善します。「空軍が我々の新型戦闘捜索救難ヘリコプター開発計画にシコルスキーを選択したことを光栄に思っています。我が社の救難ヘリコプターは世界中の危険地帯から乗員を家に連れ帰ったことに誇りを持っています。この先何年もこの仕事携えることに途方もなく満足しています。」とシコルスキー社長「ミック・マウラー」氏は述べています。アメリカ空軍は老朽化が進むHH-60G( ペイブ・ホーク)の代替として2010年に更新計画を発表していましたが、予算の都合上延期されてきました。最終的な生産量は、議会が設定した資金配分と米国国防総省の取得優先度に基づくプログラム期間にわたり決定されることになります。
■シコルスキー・エアクラフト:プレスリリース
Sikorsky Awarded U.S. Air Force Contract to Develop New Combat Rescue Helicopter