日本政府は20日、航空自衛隊の次期主力戦闘機に米ロッキード・マーチンが主体となって開発しているステルス戦闘機F-35を導入すると決定しました。将来的にF-35を計42機配備することを目指しており、機体整備なども含めて今後20年間で事業費は1.6兆円規模になります。防衛省によると、ロッキード社から技術に関する情報開示を受け三菱重工が機体の一部製造と最終組み立て、IHIがエンジン、三菱電機が電子機器の一部生産を担当、参加割合は最大で4割程度となる見通です。
日本は武器輸出三原則などの制限により共同開発には参加していないため技術開示が限定されており、多くのブラックボックスを抱えることは避けらない見通しです。生産割合4割のうちライセンス生産できる部品は限定的で国内航空産業育成はあまり期待できません。また大幅な開発の遅れが出ており、防衛省が求める16年度中の導入に間に合わない可能性が高く、国内生産はさらに遅れる可能性があります。しかし、近年中国・ロシアがステルス機を開発しており今後30年以上使用することを考慮すれば長期的に見て妥当な判断だったとも考えられます。日本政府のF-35導入決定を受け米国防総省のカービー次官補代理は20日、日本政府が次期主力戦闘機に米国などが共同開発しているF-35を選定したことについて「日米同盟を強化し、地域の安定を向上させるうえで重要な要素となる」と歓迎の意向を表明しました。
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