
ダッソー社はミラージュⅢで大成功を収めたのち、フランス空軍と次世代戦闘機を模索しいくつもの開発計画を進めます。胴体にリフトエンジンを搭載したミラージュⅤ、長距離進行を主任務として構想された可変翼のミラージュG、後退翼の複座型であるミラージュF2等コストや開発の難航で計画は中止されています。代わりに脚光を浴びたのが、ダッソーが自社独自計画として開発していたミラージュF1でした。F1はF2と類似した形状で内部胴体のエアダクトとエンジンの周囲をインテグラル燃料タンクとすることでⅢよりも機内燃料搭載量を40%も増加しています。

イラン・イラク戦争でイラク空軍の機体が実戦に参加しており、イラン空軍のF-4戦闘機と交戦し数機が遠距離からのミサイルで撃墜されていますが、近接格闘戦闘において互角の戦闘を行い、ミラージュも数機を撃墜しています。
原型初飛行 | 1966年12月23日 |
全幅 | 8.4m |
全長 | 15.0m |
全高 | 4.5m |
乗員 | 1名(練習機型は2名) |
エンジン | SNECMA Atar 9K-50 |
最大速度 | M2.1 |
最大離陸重量 | 16,200kg |
航続距離 | 900km |
生産数 | 860機 |

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