f-15active

アメリカ空軍からNASAに移管され、ドライデン飛行研究センターで各種研究に用いられた『F-15 ACTIVE』の記録写真です。同機は短距離離着陸機の開発実験を主要目的とした「アジャイル・イーグル」プロジェクト「F-15 S/MTD」が原型で、米空軍の複座型F-15B(71-0290)に大幅な改造を加えていました。エア・インテイク上部にF/A-18の水平尾翼を流用したカナードを追加、エンジンにはスラスト・リバーサ(逆噴射装置)付きの2次元1軸の推力偏向ノズルを搭載し、これらを制御するフライ・バイ・ワイヤを使用した統合型飛行推進制御(IFPC)システムにより高い運動性を実現していました。ACTIVEはS/MTDの基本フレームをそのままに、エンジンをF100-W229に換装、排気口も3次元推力偏向ノズルにし、航空機の操縦ソフトウェアを中心とした研究「統合先進制御技術(Advanced Control Technology for IntegratedVehicles)」のテストベッドに用いられ、1996年4月24日から1999年まで各種実験を行い、得られた技術は新型機の開発に貢献しました。1999年以降は「F-15 IFCS」に改名し被弾や故障などにより飛行に支障が出た際に影響を自動的に「学習」し対応する「知的飛行制御システム」の研究に用いられました。2007年からは衛星通信・追跡技術とデータリンクシステムの研究に移行し「F-15B SBRDC/ECANS」に改名しています。