yak130ロシアのコメルサント紙を初め情報メディア各社が23日、同国政府がシリアに対し、Yak-130高等練習機36機を売却する契約が締結したと報じています。売却総額は約5.5億ドル(約428億円)。契約は昨年12月に署名したとされ、これは2008年にアサド大統領がモスクワを訪問た際、導入の意向を示していたのが現実となった形です。但し、国際社会国営武器輸出企業「ロソボロネクスポルト」の広報はコメントを拒否しています。シリアでは老朽化が進むL-39(アルバトロス)の置き換えにより空軍同国の戦力強化が目的と考えられており、契約が事実であるならば国際社会からの批難は避けられないのと、イスラエルとの境界に位置するゴラン高原に自衛隊を派遣している日本としても今後のシリア情勢を注視する必要があります。
Yak-130のみならず軍用練習機は軽攻撃機としても運用でき、有事の際は重要な航空戦力となります。同機にいたってはL-39(アルバトロス)に比べハードポイントが増えたことにより搭載量が最大3000kgと増大。また、アビオニクスも大幅に向上しており、空対空、対地ミサイル、対地攻撃ロケット等、各種兵装が装備できます。Yak-130売却契約についてアメリカの報道官は、「事実なら憂慮すべきだ」と懸念を示し、こうした取り引きを絶つよう、ロシア側に求めていく考えを強調しました。これに対しロシア、フォミン第一次長は「シリアは独立した主権国家であると指摘し、同国には現在のところ武器供給に関する制裁が加えられていないため、これまでに交わされた契約、あるいは今後交わされるあらゆる契約は合法的なものであり、何らかの国際的な義務違反にはならない」とコメントしを述べています。ロシアとしては中東の友好国を擁護してどう存在感を示すとともに、軍事、経済面の権益を守りたいという思惑があるようです。

■参照記事「RIA Novosti website」
http://en.ria.ru/world/20120123/170901812.html

革命と独裁のアラブ革命と独裁のアラブ
佐々木良昭

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