Hawker-Beechcraft2012年7月9日、中国で航空機用エンジンと部品を手掛ける『北京卓越航空工業有限公司』は米ビジネスジェットメーカー『ホーカー・ビーチクラフト』を17億9000万米ドル(約1420億円)で買収することを発表しました。買収対象には防衛事業は含まれていませんが、三菱重工業が開発し、ビーチクラフトへの移管されたMU-300(ホーカー400)も中国企業の製品となることになります。契約が成立した後もカンザス州ウィチタのホーカー・ビーチクラフトの本社と、その他の地区の経営陣と職員をそのまま残し、製品の開発を引き続き行うとしていますが、労働組合が裁判所に対して、反対の旨の書類を提出しており今後の反発は必至となっています。中国では米国の航空産業の買収を進めており昨年は小型機飛行機メーカー米シーラスエアクラフトを買収しています。
■北京卓越航空工業有限公司成身棕(チョン・シェンゾン)会長


北京卓越航空工業有限公司は中国政府傘下の北京亦荘国際投資発展有限公司が株式の40%を保有しています。当初は貿易、不動産、ホテルなどの事業を手掛けていましたが、政府支援の元2007年に航空分野に進出。2009年には米スペリアル・エアパーツ(Superior Air Parts)を買収しています。今後さらに積極的に買収を続ける方針で、ホーカー・ビーチクラフト以外にもオーストラリアの航空機販売メーカー買収を進めるとのこと。

ホーカー・ビーチクラフトは、創業80年の歴史を持つ航空機メーカーですが、2008年の金融危機後、主力であるプライベート・ジェットの需要落ち込みに伴い、約25億ドルの債務を抱え経営危機に陥り2012年5月3日、ニューヨーク州の裁判所に連邦破産法11条(チャプター・イレブン)日本の「民事再生法」に該当する申請を行っていました。同社の製品は中国と問題を抱える多くの国々に採用されており、軍用機との共通する部品供給への懸念と軍事関連に結びつく機密、高度な技術が中国に流出する可能性があります。

■参照記事:ブルームバーグ(英語)
Hawker Beechcraft Sale To China Firm Opposed By Union

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稲垣 清

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