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2012年2月27日、黒鉛電極など炭素事業大手の『日本カーボン』は、世界的な航空機エンジンメーカーであるアメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック)社及び同じく世界的な航空機エンジンメーカーであるフランスのサフラン社と次世代航空機エンジンの主要部材に使われる素材である炭化ケイ素連続繊維(ニカロン)の製造・販売を行なう合弁会社を設立することに合意しました。従来、日本カーボンが単独で手掛けていたニカロン事業を分離、共同出資の新会社に移管します。新会社の資本金は10億円、日本カーボンが50%、GE、サフランがそれぞれ25%ずつ出資する。今後、急成長が予想されるとはいえ、GE、サフランという特定顧客に依存する形となるため、両社の出資を受け入れる形で投資負担を軽減しつつ、事業の拡大を目指すとのこと。
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泉谷 渉

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日本カーボンでは、GEおよびサフランが開発するLEAPに用いられる高い耐熱性が求められる部材向けとして、同社が開発・製造販売を行う「ニカロン」の供給に向け、両社が研究・開発を行ってきたセラミック複合材のテストに協力してきました。現在、同エンジンの開発は最終段階に入っています。このエンジンが搭載されるエアバス「A320neo」などが2016年以降、順次就航する予定になっており、これにより今後10年間で10倍以上の需要増が見込まれています。炭化ケイ素連続繊維「ニカロン」とは、有機ケイ素ポリマーを紡糸、焼成することにより得られるセラミックス繊維です。ニカロンは炭化ケイ素の微細な結晶より構成される繊維であるため、高温大気中においても高強度、高弾性率を保持し、耐熱性、耐酸化性に優れています。また、細くてしなやかな繊維の束からなっているので、各種織物に加工することもできます。

■日本カーボンプレスリリース(PDF)
http://www.carbon.co.jp/topics/topic_12_02_27.pdf