Rafale

ラファールはフランス空軍と海軍の主力戦闘機であり、国産のエンジンと電子機器を装備しフランス航空産業の集大成を象徴する最新鋭の航空機です。機体名称は、フランス語で「疾風、突風」を意味し、ダッソー歴代のデルタ翼に鮮麗された空力設計とFBW技術でその名に恥じぬ高い運動性能を実現しています。当初、イギリス、フランス、西ドイツ、イタリア、スペイン等西ヨーロッパ諸国と共同で欧州戦闘機(ユーロファイタータイフーン)の開発を目指していましたが最終的に脱退し単独で完成させています。
1/72 ウォーバードコレクション WB-17 ダッソーラファールC
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■共同開発脱退の道を選択したフランス
1979年冷戦当時イギリス、フランス、西ドイツ3か国で次世代戦闘機の共同開発計画が話し合われ、1983年にはスペイン、イタリアが加わり一大プロジェクトになるかに思われました。しかし、当時欧州各国で唯一フランスだけがカタパルト搭載型航空母艦を保有しており、機体重量を9.5tとする英独の要求に対し、より小型の機体でなければならず運用上妥協できない事情がありました。また、財政的にも厳しい国産エンジンメーカーSNECMAが開発する「M88」の搭載の主張も譲れず、結局参加国と折り合いが不可能と判断したフランス政府は独自開発を決断します。

■デモンストレーター「ラファールA」
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■独自開発ゆえに順調に進んだ開発
独自開発では開発資金の全てが自国負担となるデメリットがありますが、要求やタイムスケジュール等パートナー国の都合で変更する必要が無く、共同開発のユーロファイターが各国の足並みを揃えるのに苦労してるのとは対照的に開発は順調に進みました。開発にあたって搭載エンジンである「M88」が飛行試験までに完成しない事が当初より判明したことから2段階に分けて開発を進めることになり、第1フェーズはデモンストレータである「ラファールA」を製作し機体特性と実証試験を先行。第2フェーズでM88エンジンを搭載し本格的な飛行試験を行い、量産機に結果を反映する方法が取られました。その為ラファールAはM88より大型のジェネラルエレクトリック「F404」エンジンを搭載する必要性から機体サイズも量産機より一回り大きな機体となっています。試作デモンストレーター機であるラファールAは1986年7月4日初飛行に成功しています。

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■伝統と新技術を組み込んだ優れた空戦能力
ラファールは、全天候条件下で空対空、対地対艦攻撃、核攻撃、偵察など幅広いミッションを1機種で各種搭載兵装で対応できるよう開発されています。機体形状はダッソーのお家芸であるデルタ翼を進化させたクリップデルタにカナードを組み合わせ、半ベントラル式エアインテークが外見上の特徴です。機体各所には複合素材を多用しており、同規模のF/A-18より1tも軽い9tと重量軽減が図られています。操縦システムはフライ・バイ・ワイヤで、デジタル系統が3チャンネル、アナログ系統が1チャンネルが用意され、パイロットの入力を翼面に伝える計算を行うコンピューターが組み込まれています。レーダーはタレスとダッソー・エレクトロニクが共同開発した「RBE2」で2枚の電子走査式アンテナを持つヨーロッパ初のフェイズト・アレイを搭載し、複数の地上目標を同時補足しながら空中戦闘も可能としています。

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■多彩なウェポンシステムと9.5tにも及ぶ優れた搭載量
ラファールは14箇所のハードポイントを備え、最大9.5tを搭載可能とされMICA AAM、AS30Lアクティブ・レーダー誘導ミサイル、エグゾゼ空対艦ミサイル、アパッシュ・スタンドオフ・ディスペンサー、SAMP中射程巡行ミサイル、ASN超音速対艦ミサイル、SBU-38、SBU-64各種誘導・無誘導爆弾、増装が装備可能です。固定武装はGIATが開発したDEFA791B 30mm機関砲を1門を装備しており、外部装備及び兵装管理システムはデジタル式ネットワークで統合化されています。

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■見直された配備計画と攻撃型へのシフト
1992年5月、フランス空軍は冷戦終結にともない運用要求を見直しラファールの大部分を防空用の単座型から攻撃用の複座型にすることを発表します。当初の予定では空軍向けの単座型のラファールCが225機、複座型のラファールBが25機、海軍用にラファールMを86機調達する予定からC型を95機Bを139機に変更しM型は60機に削減されいます。1996年から空・海軍に引渡しを予定していましたが、海軍のF-8クルセイダーとシュペルエタンダールの老朽化が予想より深刻で第1次発注はラファールMを中心に生産され、2000年12月より順次交代しています。



原型初飛行1986年7月4日
全長15.27m
全幅10.86m
全高 5.34m
乗員1~2名
エンジンSNECMA M88-2 ターボファンエンジン×2
最大速度M1.8
最大離陸重量21,500kg
航続距離3,000km
生産数ラファールB 139機(量産中)
ラファールC 95機(量産中)
ラファールM 60機(量産中)


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