F-16_datafile

アメリカ空軍はF-4に代わる主力戦闘機としてF-15の採用を決定。しかし高性能で高価なF-15を代替するには膨大な経費が必要となることが問題となり、議会でも批判の声が高まりました。これを受けより安価で戦力定数を補間する「ハイ・ローミックス」構想が生まれます。当時の革新的技術である胴体と翼を一体で整形するブレンデッドウィングボディやフライ・バイ・ワイヤを搭載し優れた軽戦闘機として今では生産数4000機以上を突破する大ベストセラー機となっています。開発はジェネラル・ダイナミクスが行いましたが軍用機部門の売却により現在はロッキード・マーティン社の製品となっています。
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ジョン・マイヤー

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■YF-16対YF-17
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軽量戦闘機開発計画の要求提案に応じた5社の内ジェネラル・ダイナミクス社は社内研究案として計画していた軽量戦闘機モデル401(YF-16)をノースロップ社も内研究案P-600(YF-17)を提案し2社による比較選定試験が開始されます。大きな選定結果として上げられるのはYF-17が双発に対しYF-16は単発で軽量な機体にパワフルなエンジンを搭載し軽快な運動性能が燃費や加速性能、運動性が優れていると判断された結果でした。選定試験に勝利したYF-16は正式にF-16として量産されることになります。



■フライ・バイ・ワイヤ(FBW)をいち早く導入
従来の油圧系とは違いFBWは、パイロットの入力はコクピットで電気信号に変換され、電線によって飛行制御コンピューターを通り油圧アクチュエータに伝えられています。YF-16以前にもCF-105で実現はしていたが、試作機であるのと完全なFBWを搭載したのはYF-16が初めてでした。F-16は安定した飛行に戻ろうとする特性、静安定を意図的に減らし機動性を向上させて不安定な機体をFBWで補っています。静安定が少ないので人間が操縦技術で補正するこは不可能であり、コンピューターの補正無くしては飛行することすらできません。



■ブレンデッドウィングボディを採用した優れた設計
F-16の優れた設計であるブレンデッドウィングボディは翼と胴体を一体的に設計し空気抵抗低減による揚抗比改善などを実現しいます。ストレイクから発生するボルテックス揚力は空気の流れをエネルギーに変え失速を遅らせる効果と翼全体の揚力を増大させています。また太くなった胴体内部には燃料搭載量の増大や機関砲搭載スペースを稼いでいます。



■多段階改良計画(MSIP)によって進化するF-16
MSIPはF-16が世界中で使用されるベストセラーになった原動力の一つです。生産が進むうちに新しい搭載機が実用されると後期生産型に反映していくことで能力を向上していくことができます。現在の最新機体はアラブ首長国向けのブロック60で最新のジャイル・ビームレーダを搭載、さらにコンフォーマルタンクを装備することで航続距離が増大しています。

原型初飛行1974年2月2日
全幅9.45m
全長 15.03m
全高 5.09m
乗員1名
エンジンゼネラル・エレクトリック F110-GE-132×1基
最大速度M2.0
最大離陸重量20,866kg
航続距離3,982km
生産数4000機以上